納期の壁
前回からのつづき
建物に到着し、打合せメンバーはデザイナー2名と編集者1名。
雑誌の説明をうけ、私の作品(ポートフォリオ)を見ながら、
「こんな感じがいいですね...」という感じで進みました。
そして納期の話になり、いつまでに欲しいという期日を聞いた瞬間、
私は体が固まってしまいました。こんなに短いんだ!と。
なんせフルタイムで仕事してましたから、土日ぐらいしかまとまった時間がとれません。
そんな私をみて、できないようなら一部(3点のうちの1点とか)を他の人に頼みますが、
と言われ、物凄く迷った挙句に、「はい」と答えました。
やはり、どうやってもできないものを、できるとは言えなかったのです。
全部ほかのイラストレーターに振られなかっただけでも、本当にありがたいです。
そうしたら、できれば全部吉田さんにやってほしい、と言われました。
そこから納期の調整をしてくださり、じゃあ色校正はなくしましょう、という提案を
してくださって、その時間を省くことで納期を最大限まで延ばしてくださいました。
本当に救われました。これならできる!って思いました。
大事な色校正をなくしてまで納期の調整をしていただいたのですから、
次は私がそれなりのものを提出して、依頼にこたえなければなりません。
時間を一分も無駄にしたくなくて、打合せの帰りの電車の中からこの仕事がスタートしました。
家に帰りつくまでの夜の道中、どんな絵にしようかとずっと考えていたのですが、
一瞬だけ、「結果をだせなかったらどうしよう」という恐ろしい不安がよぎりました。
でもそれはほんとうに一瞬でした。
なぜなら、お仕事を貰った喜びのほうが勝っていましたから。
絶対に結果をだしてみせる、という気持ちのほうが強かったのです。
これも今思うと初心者の強みかもしれません。😅
次回につづく